言語聴覚士とは
こんにちは、こんぶです。
現在、私は中南米の国で言語聴覚士としてボランティア活動をしています。
日本でも知名度の低い言語聴覚士ですが、ここ中南米では「子どもにことばの指導をする」職種として割と知られています。しかし、言語聴覚士の役割はそれだけではありません。
今回は、「言語聴覚士」について説明したいと思います。
言語聴覚士とは、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)と並ぶリハビリ職種です。
名前の通り、言語や聴覚に障害のある方に対して、コミュニケーションが円滑に行えるよう訓練・指導を行います。対象となる患者様はお子さんからお年寄りまで幅広く、高齢化が進む昨今では、嚥下(飲み込み)分野での活躍も期待されています。
言語聴覚士は厚生労働省が交付する国家資格です。言語聴覚士になるためには、この国家試験に合格しなくてはなりません。
受験資格を得るためには以下の条件を満たす必要があります。
①文部科学大臣が指定する学校もしくは都道府県知事が指定する言語聴覚士養成所を卒業する
あるいは、
②4年制大学卒業後、指定された大学・大学院の専攻科または専修学校を卒業する
以上の①もしくは②の条件を満たし、国家試験を通過できれば、晴れて言語聴覚士を名乗ることができるのです。
勤務先は、病院や介護施設といった医療福祉分野の他に、療育センターやことばの教室といった教育機関でも大きな役割を担っています。とはいえ、現状では、ほとんどの言語聴覚士が医療福祉の現場で働いており、教育分野の言語聴覚士は多いとは言えません。
これには言語聴覚士がまだまだ歴史の浅い資格であることが関係しています。
言語聴覚士が国家資格として認められたのが、1997年の言語聴覚士法制定です。以前から言語聴覚士の業務を行っていた人もいましたが、資格として認められていませんでした。この年の法制定、翌年に行われた第一回言語聴覚士国家試験によって、国家資格としての言語聴覚士が誕生しました。
理学・作業療法士から遅れること約30年の国家資格化ですので、知名度も資格保持者もまだまだ低いわけです。
しかし、逆を言えばまだまだ多くの隠れた需要と可能性を持った職種とも言えます。
この国に来て思いますが、知名度というのはとても重要ですね。どんなに便利なものでも、知らなければ一生使われることはありません。私の活動も「病院における言語聴覚士の役割」を知ってもらうことから始まりました。
今後、もっと多くの人に言語聴覚士という仕事について知ってもらいたいと願っています。